SHAKALABIITS INTERVIEW
嘘が混ぜ込まれた世界の中で特別な輝きを放つ音楽に対する純粋な欲求と自由に音と戯れている4人の真実だけがつまったコンテンポラリーなパンク・アルバムが完成!


ベースという楽器の自由度が今までになく無限に広がって、気持ちよく歌えたなって思いますね(KING)
--- アルバム『嘘を混ぜ込んだ真実のスープ』の制作はいつごろから始まったんですか?
前作『CRIMSON SQUARE』のツアーに出る前に、楽曲をある程度の形まで進めておく、第1次のプリ・プロダクションをしていたんですよ。それからツアーに行って、武道館が終わって、その数日後には第2次プリプロが始まって……。
第1次プリプロの時点で、レコーディングしたいものをとりあえず形にしてみるんですね。まずは、みんなの気持ちとして、真空パックしておきたいものを出しておく。その段階ではまだ歌詞はついてないことが多いので、ツアーを周りながら断片をノートに書き溜めていって。
第2次プリプロのときに曲がだいたい出揃って、全体が見えてくるっていう感じですね。第1次プリプロで、だいたいバンドサウンド的なところまで曲を作り上げて、第2次プリプロで、本番のレコーディングをするみたいに、実際にオブリ(*オブリガート/主旋律を引き立てる、もうひとつのメロディのこと)を録ったり、コーラスを録ったり、アレンジまでしちゃってて。
2回目で、より重厚にしていく感じかな。とにかく思い付いたら、すぐにやりたくてたまらなくなって、慌てて録っておいたりもしていて。それがつどつど、たまっていくので、最終的には30曲くらいにはなってるんですよね。
ツアーを周って、時間をおいて寝かせた状態で取りかかると、また違う聴こえ方がすることもあるから、第1次のときには入れるはずだったけど、入れなくなった曲もあって。ただ、次作のプリプロをしてからツアーに行ったもんだから、ずっとワクワクしっぱなしだったんですよ。ファイナル公演の武道館が終わったときも、先が楽しみでしょうがなくて。エンジニアのエッチャンから、“武道館お疲れ”のメールがきた時も、“これからのエッチャンとの作業楽しみだね”っていうメールを返したくらい。全国を周りながら、それぞれが、その曲たちの妄想アレンジや妄想アルバムを描いてて。みんな楽しみでしょうがないっていう気持ちのまま、無我夢中でスタジオにいて、ずっと曲と触れ合って、今にきてる。
そのワクワクしっぱなしの自分たちの気持ちに、またどきどきしてるんですよね。
--- 制作過程において、これまでとの変化を感じた部分はありましたか?
曲達との距離が、ぐっと近付いてる感じはしますね。
でも、具体的に何が違ったのか分かんないんだよな。
何が違ったのかを言葉にするのはすごく難しいんだけど。ホントに自由にやったなって。
今までも別に制約があったわけでもないじゃないけど、自分らのチョイスが増えてるんだよね。ああしたらおもしれー、こうしたらおもしれーっていう表現方法がより自由度を増したのかな。ほんと、説明するのは難しいけど……。
例えば、メロディーにあったオブリの出方ひとつをとっても豊かになってるから、曲がもっと映えるようになったりとか。
今回は、思い付いたことを全部試させてもらえたし、全てにおいてやりたいようにやらせてもらえたんですよ。例えば、完成している曲だとしても、思い付いた以上は、一度やってみるっていう。
おもしろかったのは、「ダズリングスープ」の最初の打ち込み部分ですね。何時間もいっぱいいろんなことを試したんだけど、結局は「これがいちばんだったね」って、最初に戻ったりして(笑)。
「KARENA」も出来上がったあとで、新しいアレンジを足そうとして、バンドでやってみたんだけど、結局はナシになったし。
あの時は、芯がぶれすぎちゃったんだよな。
それで、元の形で録ろうかっていうのも出来る。そのくらい、全曲に対して、徹底的にこだわりぬけたんですよ。
私も、アレンジから構成からコーラスに至るまで、全てにおいてこだわりぬけた感じがしますね。もう鍵盤から離れず。
きっと、全員そうだよね。
そうだね。俺も自分で決めつけていた縛りが無くなったっていうのもあって。ギターのチョイスの仕方とか音の決め方ひとつとっても、自分の中で自由度がすごく広がったと思うんですよ。「俺のギターサウンドはハムバッカーのレスポールだ」っていう枠を自分で勝手に作ってた部分があるんだけど、自分らしさは持ったままで、その枠が取っ払われて、ギターのサウンドがより自由に、幅広く出来るようになった。それに、例えば、第1次プリプロで弾いたギターをレコーディングの本番で越えられなかった時は、素直にプリプロのギターを使うこともあったし。本当に、素晴らしく自由で、どきどきしながら、楽しく作れたアルバムだなって思いますね。
俺も音色はもちろんなんですけど、ベースラインで歌いたくなる曲が結構あって。いままでは、他の楽器のフレーズとぶつかるかなって、びびってやらないことがあったんですけど、今回は、とりあえずやってみようって。もし音があたることがあったら、みんなが教えてくれるっていう安心感もあるし、より気持ちよく歌えたなって思うんですよね。音に関しても、どうしても録りたい音があったら、その曲のためだけにわざわざベースを1本買いに行ったりもしてて。だから、音に関しても、プレイに関しても、自由度は今までになく広い、無限な感じで録れたと思う。
よくね、バンドは売れちゃダメだとか言うけど、俺はすごくよかったと思うんですよね。自分達の好きな楽器は使えるし、好きなだけ時間もかけられる。メジャーに偏見を持っている人がいるとしたら、それは間違ってると思う。メジャーにあがったらバンドはダメになるっていう人がいるけど、メジャーやインディーっていうくくりは関係なくて。どこにいても、自分たちの信念次第だと思うし、やりたいことをやりたいんだったらメジャーの方がいい。
「正しいことをしたかったら、偉くなれ」だね(笑)。別にメジャーが偉いわけじゃないけど。
だって昔は、お金をかけられないから、やりたくてもできないことも多かったんですよ。俺らも、例えば、「4曲をトラックダウンまで含めて4日で録れ」っていうところから始めてて。アイデアはたくさんあるのに、時間的に絶対に無理だから、試すことも許されないっていう時もあった。そういうとこから考えてみると、本当によかったなって思うんだよね。そこで信念を曲げないで、媚びも売らずに、自分たちがやりたいようにやってきて、今は、何の制約も受けずに制作ができるようになった。バンドとして自由な体勢を整えることが出来たことが嬉しかったし、レコーディング中も「こんなに時間をかけていいんだ」って実感しっぱなしで。嬉しいな、これこそが求めてた生活だよなって。
--- いま、まさにバンドとして充実した環境になってるんですね。
本当に音楽だけをやれて、すごく充実してましたね。俺らは自由なんだっていうことをひしひしと感じたんですよ。ひとりのプレイに対しても、決定権は弾く本人達にあるし。
でも、録ってるときの判断で、自分じゃ出来ないときがあって。それをメンバーがしてくれるのもありがたいし。
そこがセルフプロデュースの強みだし。そういうのがやりたかったことなんですよ。昔ならOKテイクが出たら終わりにするところをさらに何度かやらせてもらったり、数日寝かせてから判断させてもらうこともあって。本当にいい瞬間を切り取って、詰め込めるようにもなったと思うし、だからこその実験も出来たし。
--- 具体的にはどんなことを試したりしたんですか?
ものすごい時間をかけてやらせてもらってるプリプロの段階で、俺らはビデオテープを録ってて。音だけで録っていると、後で自分でどう弾いてるのか分からなくなる時があるからなんですけど(笑)、そのビデオテープで録ったドラムの音がカッコよかったんですよ。その音を再現するために、リハスタでのビデオと同じ角度と距離に、ビデオカメラを置いて録って。
「少年と白い犬」のドラムがそうですね。
--- あそこはサンプリング音源かと思ってました。
あれは、オンマイクの音と、ビデオカメラの音をミックスして、あんなに不思議な音になってるんですよね。そういう実験もいろいろ出来たし、曲調も音色もグルーブもすげえよくて。でも、何がいちばんすげえなって思ったかは、俺は、歌詞がすげえ好き。
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