01. Player
02. Condenser Baby
03. Tope Con Giro
04. mademoiselle non non -special-
05. ユメミギャロップ
06. River's Edge
07. YOU and ME
08. A Magical Hand Story
09. Go An' Let Me Go
10. Blue Flamingo
11. I'm a Dreamer
12. mademoiselle non non -dubwise-
13. Vamos A La Marcha
「音楽だけは絶対裏切らない !!」
──ニューアルバム『Condenser Baby』完成後のインタビューでのUKIの発言だ。この時の、ちょっと怒ったような彼女 の目を僕は一生忘れない。
ベーシスト、KINGの脱退劇に伴う、いわゆるゴタゴタでシャカラビッツは解散の危機にあった。しかも、既に着手していた通算7作目のアルバム制作真っ只中に、その苦難は訪れた。
でも、結果、こうして新作『Condenser Baby』は届けられた。つまり、解散という最悪の結末は回避されたということになる。そんな中で完成に導かれた音楽とは一体どんなものなのか。もう、それだけで心は高鳴ってしまう──「それどころじゃなかったんだよ」とメンバーに叱られそうだけど(笑)。
シャカラビッツ=一枚岩のイメージのあったバンドからのメンバー脱退のニュースを僕はヤフーのトップ画面で知った。
それだけ衝撃的な出来事だったのだ。驚き、マネージメントに問い合わせると、彼らのオフィシャルサイトで、その状況報告が綴られているという。KINGを含むメンバー個々の文章を読んで、当初、こんなことまで書いていいのか?と戸惑った。
単なる一身上の都合や音楽性の違いなどではなかったからだ。KINGの音楽への対峙の仕方やスキルが、言わばプロではなかったとカミングアウトされていたのだ。
これを読んでどう感じるかはそれぞれだと思う。
僕の解釈はこうだ。プレイに対する姿勢はシャカラビッツの場合、他のバンドとはだいぶ違う。事実、前作『Phasemeter Trippin' Bug Shake』の冒頭を飾る、『underground』。
ここでの印象的なギターリフは、ギタリストのTAKE-Cではなく、ドラムのMAHが弾いている。
「MAHがそれを表現できる最適なギタリストだったから」──あっけらかんとTAKE-Cはそう話していた。むしろ、何か問題があるのかと言わんばかり。つまり、音楽に従順なバンドなのだ。その作品、あるいは作品の、とあるパートに呼ばれたら、誰でもそれを奏でていいのである。
しかし、ミュージシャンとして最も大事な、日々の技術習 得や感性の磨きを意識しなければ、それら作品やパートに呼ばれることはない。KINGはそれを怠った。ただ、それだけのこ とだ。ベーシストを失っても、3人になっても、作品に呼ばれさえすれば、難関ではあってもアルバムは作れるのだ。
そんな状況で作られ、そして奏でられた音楽とは一体どういういうものか、是非とも耳を傾けて頂きたいと僕は思う。
「危機だったからこそ、もう、好きなことをやってやるって感じだった」(MAH)。
「この時期は負のオーラ満載ですよ(苦笑)。でも、 暗いねって感じじゃない。パワーを傾けるのはここしかなかったって思える」(TAKE-C)。
「マスタリングの時、こんなに嬉しかったアルバムは過去ない。震えたもん。でも、これは美談なんかじゃない。美しくなんか全然ない...この世にはいろん な大変なことがある。それを補う時に音楽って存在するんじゃないかって私は思えた」(UKI)。
今作の僕のベストトラックは「♪ 〜笑う日も塞ぎ込んでしまう日も一緒がいいこんなにもふぞろいな世界だって 明日へと続いてる 愛は生まれ続けるね」 と淡々としていつつも、あたたかいメロディで唄われる『River's Edge』だ。"何げない日常"とはよく使う言葉だが、そんな風におだやかに過ごせる日常の裏側には、東日本大震災のような、目を覆いたくなる壮絶な過酷さが潜んでいる。そんな大変な時、誰かが隣にいる。何も話さなくていい。でも、本当に傍にいるんだよと語りかけている曲だと思う。まさに、苦難に遭遇したからこそ産み落とされた、今の彼らを象徴する名曲である。
さて、KING脱退後、TAKE-Cの実弟・YOSUKEが急遽メンバーに加わった。今作でも若干の曲で非凡なプレイを披露してくれている。人なつっこい笑顔と人柄でバンドの危機を救ってくれたが、それが真実味を増すのはこれからだ。
今作が『Condenser Baby』と命名されたのは、シャカラビッツというバンドが"蓄電と放電"に何の問題もなくエキサイトできるようになったよ、というファンに向けてのメッセージだ。
彼らに音楽の女神は再び微笑んだ。
それは、彼らが音楽を信じ、愛していたからに違いない。
インタビュアー 棚橋和博(cast)


































































